- 歌の意味
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鴬は鳴いているけれども、まだ降り続く雪のために杉の葉が白くなっている逢坂の山よ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 18
詞書「和歌所にて関路鴬といふことを」
前歌が鴬を待つ心を詠んだのに続き、この歌では鴬がすでに鳴いている。しかし山にはなお雪が降り、杉の葉は白いままである。詞書によれば和歌所で「関路の鴬」という題によって詠まれた。和歌所は建仁元年に後鳥羽院が再興した歌の役所である。
作者の「太上天皇」は後鳥羽院である。第二首の作者と同じで、本巻ではこれが二度目の登場となる。
場面は早春、場所は山城と近江の境にある逢坂の山である。逢坂には関が置かれ、都から東国へ向かう道の要所として古くから歌に詠まれてきた。題の「関路」はこの関の道を指す。
直接の契機は和歌所での題詠である。
初句
二句「鴬の鳴けどもいまだ」の「ども」は逆接の接続助詞で、鳴いてはいるけれども、と下に続ける。春の徴である鳴き声と、冬の残る景とが、この一語で対置される。
三句「降る雪に」の「に」は原因を表し、雪が降るために、の意である。
四句「杉の葉白き」は連体形で下の「山」に係る。杉は常緑の木で、その濃い緑が白く覆われているところに、雪の量と寒さが具体的に示される。
結句「逢坂の山」は体言止めである。地名を最後に据えることで、鴬の声と白い杉という二つの要素が、一つの場所に収められる。
聴覚で春を、視覚で冬を捉え、その二つを一つの山の景に重ねる作りになっており、第八首「風まぜに」以来くり返されてきた、冬と春が同居する景の系列に連なる。
逢坂:山城と近江の境にある坂。関が置かれた交通の要所
関路:関所を通る道
- 作者
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後鳥羽院
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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