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降り積みし高嶺のみ雪解けにけり
清滝川の水の白波

歌の意味
降り積もっていた高い峰の雪が解けたのだった。清滝川の水に立つ白波よ。
鑑賞
巻第一 春歌上 27

詞書「春歌とて」
 前歌の「白波」を受けて、同じ語で結ぶ歌が続く。ただし前歌の白波が海の潮によるものであったのに対し、こちらは雪解け水による川の白波である。詞書は「春歌とて」で、春の歌として詠まれたことのみが記される。
 作者の西行法師は第七首の作者と同じで、本巻ではこれが二度目の登場となる。
 場面は雪解けの季節、場所は山城国の清滝川である。京の西北、嵯峨の奥を流れて大堰川に注ぐ川で、両岸に山が迫る。
 詠まれた直接の契機は伝わらない。

 初句
二句「降り積みし高嶺のみ雪」は、降り積もっていた高い峰の雪、の意である。「し」は過去の助動詞の連体形で、今はもうない状態を示す。「み雪」の「み」は接頭語である。
 三句「解けにけり」の「に」は完了、「けり」は詠嘆で、解けてしまったのだなあ、という気づきを表す。峰の雪そのものを見たわけではなく、川の水量と波から判断している。
 四句
五句「清滝川の水の白波」は体言止めで、判断の根拠が最後に示される。第二十六首と同じく、推し量りを先に述べて根拠を結句に置く構成である。
 第七首で西行は岩間の氷が解けはじめる一点を詠んだが、この歌ではその水が集まって川を白く波立たせるまでに至っている。同じ作者の二首が、雪解けの始まりと帰結として本巻に並べられている。

高嶺:高い峰
み雪:深く降り積もった雪。「み」は接頭語
清滝川:山城国の川。京の西北、嵯峨の奥を流れる
作者
西行法師
出典
新古今和歌集
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