- 歌の意味
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春の山の近くに住まいを構えて、絶えず聞いていた鴬の声よ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌上 29
詞書は前の歌に続き「題しらず」の扱い
梅の一連の途中に、鴬を詠む万葉の歌が二首はさまれる。この歌はその一首目で、春山のふもとに住み、鴬の声を聞き続ける暮らしを詠む。原文では詞書が改めて記されていない。
作者の山部赤人は第十一首の作者と同じで、本巻ではこれが二度目の登場となる。
場面は春、場所は春山の近くに構えた住まいである。
詠まれた直接の契機は伝わらない。
初句「梓弓」は「はる」に掛かる枕詞である。梓の木で作った弓を張る、その「張る」と「春」が同音であることによる。意味の上では下の句に働かないが、弓を張るという動作の緊張感が一首の調子を引き締める。
二句「春山近く」で場所が示される。春の山のすぐ近く、という距離の近さが、下の「絶えず聞く」ことの前提になっている。
三句「家居して」の「家居す」は、住まいを定めて住むことをいう。一時の旅ではなく、そこに暮らしているという事情がここで示される。
四句「絶えず聞きつる」の「つる」は完了の助動詞の連体形で、結句の「声」に係る。途切れることなく聞き続けた、という継続が示される。
結句「鴬の声」は体言止めである。第十七首
第十八首では鴬の声は待たれるもの、また一度だけ聞かれるものであったが、この歌では日常的に耳にするものとして詠まれており、同じ素材の扱いが異なる。
梓弓:「はる」に掛かる枕詞。梓の木で作った弓
家居す:住まいを定めて住む
- 作者
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山部赤人
- 出典
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新古今和歌集
- その他の歌
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