- 歌の意味
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春霞よ、立ちこめて隔てないでくれ。花盛りの、見ていてさえ見飽きることのない山の桜を。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 42
詞書「天暦御時、麗景殿女御と中将更衣と歌合し侍りけるに」
花盛りの山桜は見ていてさえ見飽きないのに、春霞が立ちこめて隔ててしまうのは惜しいと、霞に呼びかける歌である。見飽きぬ花を惜しむ心を、禁止の強い口調で表している。詞書によれば、村上天皇の天暦の御代に、麗景殿女御と中将更衣とが歌合をしたときに出された歌である。
作者の「清原元輔」は清原深養父の孫で、清少納言の父である。梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進に関わり、三十六歌仙の一人に数えられる。
初句「春霞」は、本巻の第二首、第三首と同じ語で始まるが、ここでは花を隔てるものとして詠まれる。
二句「立ちな隔てそ」は、「な〜そ」の禁止の形で、二句切れである。本巻の第三十八首の「立ちな隠しそ」と同じ構文である。
三句「花盛り」は、花の盛りの時を示す。
四句「見てだに飽かぬ」は、「だに」が類推を表し、見ていてさえ飽きない、まして隔てられてはなおさらだ、という意を含む。
結句「山の桜を」は、倒置によって隔てられたくない対象を最後に示す。
へだつ:間に物を置いて隔てる
- 作者
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清原元輔
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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吉野山消えせぬ雪と見えつるは 峰続き咲く桜なりけり
- 次の歌
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春はなほ我にて知りぬ花盛り 心のどけき人はあらじな