春はなほ我にて知りぬ花盛り
心のどけき人はあらじな
- 歌の意味
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春の心はやはり自分の身で知った。花盛りのころに、心がのどかな人などいないだろう。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 43
詞書「平定文が家の歌合に」
花盛りには散ることが気になって心が落ち着かないことを、まず自分の心で知ったうえで、花盛りに心のどかな人などいないだろうと推し量る歌である。自分の実感から人の心一般へと思いを広げている。詞書によれば、平定文の家の歌合に出された歌である。
作者の「たたみね」は壬生忠岑である。古今和歌集の撰者の一人で、三十六歌仙に数えられ、壬生忠見の父である。
初句「春はなほ」は、春というものはやはり、の意である。
二句「我にて知りぬ」は、自分自身のことで知った意で、二句切れである。
三句「花盛り」は、花の盛りの時期を示し、前歌の「花盛り」と同じ語を三句に置いている。
四句「心のどけき」は、心がのどかで落ち着いている意である。前歌の見飽きぬ花を受け、花盛りの心の乱れを詠む。
結句「人はあらじな」は、「じ」が打消推量、「な」は詠嘆を表す。
はなざかり:花が盛りに咲いている時期
- 作者
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壬生忠岑
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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春霞立ちな隔てそ花盛り 見てだに飽かぬ山の桜を
- 次の歌
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咲きそめて幾世経ぬらん桜花 色をば人に飽かず見せつつ