春かけて聞かむともこそ思ひしか
山郭公遅く鳴くらん
- 歌の意味
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春のうちから聞こうとさえ思っていたのに、山のほととぎすはどうしてこうも遅く鳴くのだろうか。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 95
詞書「題しらず」
春のうちから声を聞きたいと思っていたのに、山のほととぎすがなかなか鳴かないのをもどかしく思う歌である。夏の訪れを告げる鳥の初音を待ちわびる心を率直に表している。
初句「春かけて」は、春のうちから、の意である。本歌から本巻の終わり近くまで、ほととぎすを詠む歌が多く続き、本歌はその長い一連の始まりとなる。
二句「聞かむともこそ」は、聞こうとさえ、の意で、「む」は意志の助動詞、「こそ」は係助詞であり、三句の「しか」で結ぶ係り結びとなる。
三句「思ひしか」は、思っていたのに、の意で、「しか」は過去の助動詞「き」の已然形である。「こそ」の結びが逆接の意味合いで下に続いている。
四句「山郭公」は、山にいるほととぎすをいう。ほととぎすは山から里へ出てきて鳴くものとされた。
結句「遅く鳴くらん」は、どうして遅く鳴くのだろうか、の意で、「らん」は原因推量の助動詞である。
やまほととぎす:山にいるほととぎす。初夏に山から里へ出てきて鳴くとされた
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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時分かず降れる雪かと見るまでに 垣根もたわに咲ける卯の花
- 次の歌
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初声の聞かまほしさに郭公 夜深く目をもさましつるかな