時分かず降れる雪かと見るまでに
垣根もたわに咲ける卯の花
- 歌の意味
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季節の区別もなく降った雪かと見えるほどに、垣根もたわむほどに咲いている卯の花であることよ。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 94
詞書「題しらず」
垣根がたわむほどに咲き満ちた卯の花を、季節にかまわず降り積もった雪かと見まがうと詠む。夏の花を冬の雪に見立てることで、卯の花の白さと豊かさを強調している。
初句「時分かず」は、季節の区別もなく、の意で、夏であるのに雪が降ったかのようだという見立てを導く。
二句「降れる雪かと」は、降っている雪かと、の意で、「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。前歌までの波、幣、衣に続き、本歌では雪への見立てとなる。
三句「見るまでに」は、見えるほどに、の意で、程度を表す。
四句「垣根もたわに」は、垣根もたわむほどに、の意で、雪の重みで枝がたわむさまを花の重みに重ねている。卯の花と垣根の取り合わせは本歌で一連の結びとなる。
結句「咲ける卯の花」は体言止めで、第八十九首から続いた卯の花の一連を締めくくる。第八十首の結句「見ゆる卯の花」と同じく、卯の花で一首を結んでいる。
たわ:枝などがしなって曲がるさま
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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山がつの垣根に咲ける卯の花は 誰が白妙の衣かけしぞ
- 次の歌
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春かけて聞かむともこそ思ひしか 山郭公遅く鳴くらん