山がつの垣根に咲ける卯の花は
誰が白妙の衣かけしぞ
- 歌の意味
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山に住む人の家の垣根に咲いている卯の花は、いったい誰が真っ白な衣を掛けたのか。
- 鑑賞
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巻第二 夏歌 93
詞書「題しらず」
山里の粗末な家の垣根に咲く卯の花を、誰かが干した白い衣のようだと見立てた歌である。問いかけの形をとることで、垣根いっぱいに広がる白さへの驚きを表している。
初句「山がつの」は、山里に住む身分の低い人の、の意である。前歌の神を祭る家に対し、本歌は山がつの家を取り上げ、場の対比をなす。
二句「垣根に咲ける」は、垣根に咲いている、の意で、本巻の第八十首、第八十九首、第九十首と同じく卯の花と垣根の取り合わせを受け継ぐ。
三句「卯の花は」は、白い卯の花をいい、下の句の見立てを導く。
四句「誰が白妙の」は、誰の真っ白な、の意である。前歌の「白妙の」と同じ語を用い、幣への見立てから衣への見立てへと移している。
結句「衣かけしぞ」は、衣を掛けたのか、の意で、「ぞ」は文末で問いを強める係助詞である。
やまがつ:山里に住む身分の低い人。きこりや猟師など
しろたへ:白い布。転じて白いこと
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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神祭る宿の卯の花白妙の みてぐらかとぞあやまたれける
- 次の歌
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時分かず降れる雪かと見るまでに 垣根もたわに咲ける卯の花