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君が音にくらぶの山の時鳥
いづれあだなる声まさるらん

歌の意味
あなたの声とくらぶの山のほととぎすの声とを比べてみると、どちらが浮気な声としてまさっているだろうか。
鑑賞
巻第十二 恋歌四 867

詞書「題しらず」
 あなたの声とくらぶの山のほととぎすとでは、どちらが浮気な声としてまさるだろうか、と詠んだ歌である。あちこちで鳴いて回るほととぎすに浮気な相手をなぞらえ、その不実をからかうように責めている。
 本巻の第八百三十二首の「鞍馬の山」と同じく、鞍馬山の古名とされる暗部山を詠み込んでいる。
 作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。

 初句「君が音に」は、あなたの声に、の意で、相手の口説く声を指している。
 二句「くらぶの山の」は、暗部山の、の意で、「くらぶ」に地名の「暗部」と「比ぶ」を掛けている。本巻の第八百三十二首の「鞍馬の山」と同じ山を指すとされる。
 三句「時鳥」は、ほととぎすで、あちこちで鳴くことから浮気なものとして詠まれる。
 四句「いづれあだなる」は、どちらが浮気な、の意である。
 結句「声まさるらん」は、声がまさっているだろうか、の意で、「らん」は現在の推量を表す。

くらぶのやま:鞍馬山の古名とされる暗部山。「比ぶ」を掛ける
あだ:誠実でないこと、浮気
作者
よみ人しらず
出典
後撰和歌集
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