つらしとて我さへ人を忘れなば
さりとて仲の絶えやはつべき
- 歌の意味
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冷たいからといって、わたしまでもあの人を忘れてしまったならば、それでこの仲がすっかり絶えてしまってよいものだろうか。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 251
相手が冷たいからといって自分まで相手を忘れてしまえば、二人の仲は本当に絶えてしまう、それでよいのかと自らに問う一首である。相手を恨みながらも、仲を断ちきることはできないという未練が表れている。
初句「つらしとて」は、相手が冷たいからといってという意を表す。
二句「我さへ人を」は、副助詞「さへ」で、相手ばかりかわたしまでもという意を添える。
三句「忘れなば」は、完了の「ぬ」の未然形に「ば」が付いた仮定で、忘れてしまったならばという意を表す。
四句「さりとて仲の」は、そうだからといってという意で、二人の仲を取り上げる。
結句「絶えやはつべき」は、「絶え果つ」の間に反語の係助詞「や」をはさみ、当然の「べし」の連体形で結ぶ係り結びで、仲が絶え果ててよいものかと結ぶ。
たえはつ:すっかり絶えてしまう
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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涙さへ出でにし方を眺めつつ 心にもあらぬ月を見しかな
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逢ふことや涙の玉の緒なるらむ しばし絶ゆれば落ちて乱るる