なほざりに秋の山辺を越え来れば
織らぬ錦を着ぬ人ぞなき
- 歌の意味
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何気なく秋の山辺を越えて来ると、織ったのでもない錦を着ていない人はいない。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 403
詞書「題しらず」
何気なく秋の山辺を越えて来ると、誰もが、織ったのでもない錦を着ていると詠んだ歌である。山道で衣に降りかかる紅葉を、人が身にまとう錦に見立てている。
前の歌までが紅葉を錦に見立てたのを受け、本歌はその錦を人が身にまとう姿を詠んでいる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「なほざりに」は、何気なく、深い考えもなく、の意である。
二句「秋の山辺を」は、秋の山のあたりを、の意である。
三句「越え来れば」は、越えて来ると、の意である。
四句「織らぬ錦を」は、織ったのでもない錦を、の意で、紅葉を錦に見立てている。本巻の第四百九首も二句に同じ「織らぬ錦」を置いている。
結句「着ぬ人ぞなき」は、着ていない人はいない、の意で、係助詞「ぞ」と連体形「なき」が係り結びをなしている。
なほざり:深い考えもなく、何気なく
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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いく千機織ればか秋の山ごとに 風に乱るる鏡なるらむ
- 次の歌
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紅葉葉を分けつつ行けば錦着て 家に帰ると人や見るらん