妹が袖別れし日より白妙の
衣かたしき恋ひつつぞ寝る
- 歌の意味
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いとしい人の袖と別れたその日から、白い衣の片袖だけを敷いて、恋い慕いながら寝ることだ。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 1359
詞書は前の歌に続き「題しらず」
涙と水辺に寄せる一連の四首目である。いとしい人と袖を分かって別れた日から、衣の片袖を敷いて独り寝をし、恋い慕いつづけると詠む。詞書は題しらずで、詠まれた事情は記されていない。
作者の「読人しらず」は、名の伝わらない作者であることを示す。
この歌は『万葉集』巻十一に、ほぼ同じ形で見える。
初句「妹が袖」は、いとしい女の袖をいう。「妹」は男が恋人や妻を親しんで呼ぶ語である。
二句「別れし日より」は、袖を分かって別れたその日から、の意である。巻頭歌の「袖の別れ」と同じ場面を、万葉の言葉で詠んでいる。
三句「白妙の」は「衣」にかかる枕詞である。巻頭歌の初句と同じ語で、袖の別れと白妙が二首で重なっている。
四句「衣かたしき」は、自分の衣の片袖だけを敷いて寝る、独り寝のさまをいう。
結句「恋ひつつぞ寝る」は、本巻の第千三百五十六首と同じ結句で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「寝る」で結ぶ。前歌までの涙の水はここには出ないが、同じ結句によって一連の中につながれている。
いも:男が恋人や妻を親しんで呼ぶ語
かたしく:自分の衣の片袖だけを敷いて独りで寝る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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新古今和歌集
- 前の歌
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思ほえず袖に湊の騒ぐかな もろこし舟の寄りしばかりに
- 次の歌
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逢ふことのなみの下草水隠れて しづ心なくねこそ泣かるれ