紅葉葉を分けつつ行けば錦着て
家に帰ると人や見るらん
- 歌の意味
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紅葉を分けながら行くので、錦を着て家に帰るのだと、人は見るだろうか。
- 鑑賞
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巻第七 秋歌下 404
詞書「題しらず」
紅葉を分けながら山道を行くので、錦を着て故郷に帰る人だと、人は見るだろうかと詠んだ歌である。紅葉に包まれて帰る自分の姿を、出世して錦を着て故郷に帰る人に見立てた機知の歌である。
中国の史記に見える、富貴となって錦を着て故郷に帰るという故事を踏まえている。前歌の紅葉の錦を着る趣向を受け、錦を着て家に帰る姿へと展開している。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。原文の作者表記は「よみ人も」とあるが、ここでは「よみ人しらず」として扱う。
初句「紅葉葉を」は、紅葉した木の葉を、の意である。
二句「分けつつ行けば」は、分けながら行くので、の意である。
三句「錦着て」は、錦を着て、の意で、前歌の「錦を着ぬ人ぞなき」を受けている。
四句「家に帰ると」は、家に帰るのだと、の意で、錦を着て故郷に帰るという故事を踏まえている。
結句「人や見るらん」の「や」は疑問の係助詞で、連体形「らん」と係り結びをなし、人は見るだろうか、の意である。
にしき:色とりどりの糸で模様を織り出した絹織物
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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なほざりに秋の山辺を越え来れば 織らぬ錦を着ぬ人ぞなき
- 次の歌
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うち群れていざ我妹子が鏡山 越えて紅葉の散らん影見む