天雲のかへしの風の音せぬは
思はれじとの心なるべし
- 歌の意味
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空の雲を吹き返す風の音がしないように、返事の便りもないのは、思いを寄せられまいとする心なのであろう。
- 鑑賞
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巻第八 恋歌下 491
空の雲を吹き返す風の音がしないように、返事をくれないのは、自分に思いを寄せられまいとする心なのだろう、と詠む歌である。吹き返しと返歌の返しを掛け、返事のない相手のつれなさを、音のしない風にたとえている。
初句「天雲の」は、空の雲のの意で、二句の「かへし」を導いている。
二句「かへしの風の」の「かへし」は、雲を吹き「返し」の風の意と、手紙や歌への「返し」とを掛けており、平仮名のままとした。
三句「音せぬは」は、音がしないのはの意で、便りのないことを重ねている。
四句「思はれじとの」は、思われまいというの意で、受身の「る」に打消意志の「じ」が付いている。
結句「心なるべし」は、心なのであろうの意で、断定の「なり」に推量の「べし」が付いている。
あまぐも:空の雲
かへし:雲を吹き「返し」の風の意と、手紙や歌への「返し」を掛ける
おと:便り、音信
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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金葉和歌集
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忘られむ名は世にふらじ五月雨も いかでかしばしをやまざるべき
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