- 歌の意味
- 山道に散っている桜の花を、消えることのない春の雪かと見ることだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 65
詞書「題しらず」
山道に散り敷いた桜の花びらを、いつまでも消えない春の雪かと見る歌である。溶けて消える雪とは違い、地に残り続ける花びらを「消えせぬ雪」と言い表している。
初句「あしひきの」は「山」にかかる枕詞である。次歌も同じ初句で始まる。
二句「山路に散れる」は、山道に散っている意である。
三句「桜花」は、散り敷いた花を示す。
四句「消えせぬ春の」は、消えることのない春の、の意で、本巻の第四十一首の「消えせぬ雪」と同じ語を用いる。第四十一首が咲く桜を雪と見たのに対し、本歌は散った桜を雪と見ている。
結句「雪かとぞ見る」は、「ぞ」の係り結びで連体形「見る」で結ぶ。
やまぢ:山道
- 作者
- よみ人しらず
- 出典
- 拾遺和歌集
- 前の歌
- 桜散る木の下風は寒からで 空に知られぬ雪ぞ降りける
- 次の歌
- あしひきの山隠れなる桜花 散り残れりと風に知らるな