あしひきの山隠れなる桜花
散り残れりと風に知らるな
- 歌の意味
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山陰に隠れて咲いている桜の花よ。まだ散り残っていると、風に知られるな。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 66
詞書「天暦御時歌合に」
山陰に隠れて咲いている桜に、まだ散り残っていることを風に知られないようにせよと呼びかける歌である。風に見つかれば散らされてしまうという発想で、残った花を惜しむ心を表している。詞書によれば、村上天皇の天暦の御代の歌合に出された歌である。
作者の「小弐命婦」は村上天皇の御代に宮中に仕えた女房で、伝記の詳細は明らかでない。
初句「あしひきの」は、前歌と同じ枕詞で始まる。
二句「山隠れなる」は、山陰に隠れている、の意である。
三句「桜花」は、呼びかけの対象として置かれる。
四句「散り残れりと」は、まだ散らずに残っている、の意である。
結句「風に知らるな」は、「な」が禁止の終助詞で、風に知られるな、と呼びかける。本巻の第二十一首で雉が自らのありかを人に知られてしまうのと、居所を隠すことを願う点で対照をなす。
やまがくれ:山の陰に隠れていること
- 作者
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小弐命婦
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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あしひきの山路に散れる桜花 消えせぬ春の雪かとぞ見る
- 次の歌
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岩間をも分けくる滝の水をいかで 散り積む花のせきとどむらん