難波潟みぎはの葦のおいがよに
恨みてぞ経る人の心を
- 歌の意味
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難波潟の水際の葦が節を重ねて老いていくように、年老いたこの世に、あなたの心を恨みながら過ごしていることだ。
- 鑑賞
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巻第十六 雑歌二 1170
詞書「まかり通ひける女の心解けずのみ見え侍りければ、年月も経ぬるを、今さへかかることと言ひつかはしたりければ」
難波潟の水際の葦が節を重ねて老いるように、老いの世を、あなたの心を恨みながら過ごしている、と詠んだ歌である。長年通われながら打ち解けないと責められたことに対し、恨みたいのはむしろこちらだと、老いの身の嘆きを葦の節に託して返している。
詞書によれば、男が通っていた女の心がいつまでも打ち解けないように見えたので、年月も経ったのに今もなおこうなのかと言い送ったところ、返された歌とみられる。
作者は「よみ人しらず」で、詠み手の名は伝わらない。
初句「難波潟」は、摂津国の難波の干潟で、葦の名所である。
二句「みぎはの葦の」は、水際に生える葦の、の意である。
三句「おいがよに」は、老いの世に、の意で、「よ」に「世」と葦の「節」を掛け、葦の縁で老いを重ねている。
四句「恨みてぞ経る」は、恨みながら過ごす、の意で、「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「経る」で結ぶ係り結びとなっている。
結句「人の心を」は、あなたの心を、の意で、四句と倒置になっている。次歌も恨みをめぐる贈答の歌である。
よ:世の意と、葦の節の意を掛ける
なにはがた:摂津国の難波の干潟
みぎは:水際
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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後撰和歌集
- 前の歌
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数ならぬ身に置く宵の白玉は 光見えさすものにぞありける
- 次の歌
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忘るとは恨みざらなんはし鷹の とかへる山の椎はもみぢず