君により我が名は花に春霞
野にも山にも立ち満ちにけり
- 歌の意味
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あなたのせいで、私の評判は、花やかに、春霞が立ちこめるように、野にも山にも一面に立ち広がってしまった。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 675
詞書「題しらず」
あなたとの恋のせいで、私の評判は春霞が野山一面に立ちこめるように、はなやかに広まってしまったと詠む歌である。春霞の美しい景を用いながら、噂が隅々まで広まった状況を大げさに表し、嘆きの中にも華やぎのある一首である。
作者は「よみ人しらず」とあり、名は伝わっていない。
初句「君により」は、あなたのせいで、の意で、原因を示す。
二句「我が名は花に」は、私の評判ははなやかに、の意で、噂が派手に広まる様子を花にたとえる。
三句「春霞」は、春に立ちこめる霞で、「立つ」を導く。花と霞で春の景を重ねる。
四句「野にも山にも」は、野にも山にも、の意で、至る所にという広がりを示す。
結句「立ち満ちにけり」は、霞が立ちこめることと、評判が立ち広がることを重ね、完了「ぬ」と詠嘆の「けり」で結ぶ。
はなに:はなやかに、うわついて目立つように
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
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群鳥の立ちにし我が名今さらに ことなしぶともしるしあらめや
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知るといへば枕だにせで寝しものを ちりならぬ名の空に立つらむ