群鳥の立ちにし我が名今さらに
ことなしぶともしるしあらめや
- 歌の意味
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群れた鳥が一斉に飛び立つように、すっかり立ってしまった私の評判は、今さら何事もなかったふりをしても、効き目などあるだろうか。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 674
詞書「題しらず」
群れた鳥が一斉に飛び立つように広まってしまった評判は、今さら何もなかったふりをしても効き目はないと詠む歌である。群鳥が飛び立つ騒がしさを噂の広まり方にたとえ、取り返しのつかない状況をあきらめとともに見つめている。
作者は「よみ人しらず」とあり、名は伝わっていない。
なお本文の四句は「ことなしぶとも」とあり、読み仮名の行の「ことなしむとも」と一致しない。ここでは本文の表記に従う。
初句「群鳥の」は、群れている鳥の、の意で、一斉に飛び立つことから「立つ」にかかる枕詞である。
二句「立ちにし我が名」は、すっかり立ってしまった私の評判、の意で、完了「ぬ」と過去「き」を用いる。
三句「今さらに」は、今となっては、の意である。
四句「ことなしぶとも」は、何事もなかったようにふるまっても、の意で、逆接仮定の「とも」を用いる。
結句「しるしあらめや」は、効き目があるだろうか、いやない、の意で、推量「む」の已然形「め」に反語の「や」が付いた形である。
むらとり:群れている鳥
ことなしぶ:何事もないようにふるまう
しるし:効き目、効果
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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古今和歌集
- 前の歌
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逢ふことは玉の緒ばかり名の立つは 吉野の川のたぎつ瀬のごと
- 次の歌
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君により我が名は花に春霞 野にも山にも立ち満ちにけり