桜散る木の下風は寒からで
空に知られぬ雪ぞ降りける
- 歌の意味
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桜の散る木の下を吹く風は寒くはなくて、空のあずかり知らない雪が降っていることだ。
- 鑑賞
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巻第一 春歌 64
詞書「亭子院歌合に」
桜の散る木の下を吹く風は寒くもないのに、空にはあずかり知らない雪が降っていると、散る花びらを雪に見立てて詠む。空から降るのではない雪という言い方で、花吹雪の美しさを鮮やかにとらえている。詞書によれば、宇多法皇の亭子院で催された歌合に出された歌である。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心となり、仮名序を書いた。土佐日記の作者としても知られ、三十六歌仙の一人に数えられる。
初句「桜散る」は、桜の花が散るさまを示す。
二句「木の下風は」は、木の下を吹く風の意である。
三句「寒からで」は、「で」が打消の接続助詞で、寒くはなくて、の意である。雪には寒さが伴うはずなのに、という意外さを含む。
四句「空に知られぬ」は、空が知らない、空から降るのではない、の意で、雪の見立てであることを示す。
結句「雪ぞ降りける」は、「ぞ」の係り結びで連体形「ける」で結ぶ。次歌も散る桜を雪と見ている。
このしたかぜ:木の下を吹く風
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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春深くなりぬと思ふを桜花 散る木のもとはまだ雪ぞ降る
- 次の歌
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あしひきの山路に散れる桜花 消えせぬ春の雪かとぞ見る