あしひきの山路も知らず白樫の
枝にも葉にも雪の降れれば
- 歌の意味
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山道もどこにあるのかわからない。白樫の枝にも葉にも雪が降り積もっているので。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 252
詞書「題しらず」
白樫の枝にも葉にも雪が降り積もったため、山道がどこなのかもわからなくなったと詠む歌である。木々を覆い尽くす雪の深さを、道を見失う戸惑いによって表している。
作者の「人まろ」は柿本人麻呂である。飛鳥時代の宮廷歌人で、万葉集を代表する歌人として歌聖と仰がれる。三十六歌仙の一人に数えられる。
万葉集巻十には、柿本人麻呂歌集の歌として、この歌とよく似た歌が収められている。
初句「あしひきの」は、「山」にかかる枕詞である。
二句「山路も知らず」は、山道もわからない、の意で、ここで句切れとなり、倒置によって理由を後に示す。前歌の三句「道もなし」と同じく、雪に埋もれた道を詠んでいる。
三句「白樫の」は、白樫の、の意で、二句の「知らず」と「しら」の音を重ねている。
四句「枝にも葉にも」は、枝にも葉にも、の意で、木全体が雪に覆われたことをいう。
結句「雪の降れれば」は、雪が降っているので、の意で、已然形に「ば」がついて原因を表す。
しらかし:ブナ科の常緑高木。白樫
- 作者
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柿本人麻呂
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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山里は雪降り積みて道もなし 今日来ん人をあはれとは見ん
- 次の歌
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白雪の降りしく時はみ吉野の 山下風に花ぞ散りける