- 歌の意味
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白雪が一面に降り敷く時には、吉野の山から吹きおろす風に、花が散っているように見えることだ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 253
詞書「右大将定国の家の屏風に」
白雪が降り敷く時には、吉野の山から吹きおろす風に乗って舞う雪が、桜の花が散っているように見えると詠む歌である。桜の名所である吉野に冬の雪を重ね、雪を花に見立てて冬の景に春の華やぎを呼び込んでいる。詞書によれば、右大将藤原定国の家の屏風に添えた歌である。
作者の「つらゆき」は紀貫之である。古今和歌集の撰者の中心人物で、仮名序を執筆し、土佐日記を著した。三十六歌仙に数えられる。
初句「白雪の」は、白雪が、の意である。
二句「降りしく時は」は、一面に降り敷く時は、の意である。
三句「み吉野の」は、吉野の、の意で、「み」は美称の接頭語である。
四句「山下風に」は、山から麓へ吹きおろす風に、の意である。
結句「花ぞ散りける」は、花が散っていることだ、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「ける」で結ぶ。雪を花に見立てている。本巻の第二百五十六首も梅の枝の雪を花と見ており、雪を花に見立てる趣向を共有している。
やましたかぜ:山から麓へ吹きおろす風
ふりしく:一面に降り敷く
- 作者
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紀貫之
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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あしひきの山路も知らず白樫の 枝にも葉にも雪の降れれば
- 次の歌
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人知れず春をこそ待て払ふべき 人なき宿に降れる白雪