人知れず春をこそ待て払ふべき
人なき宿に降れる白雪
- 歌の意味
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払いのけてくれるはずの人もいない家に降り積もった白雪は、人知れず春が来るのを待っている。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 254
詞書「冷泉院の屏風に」
雪を払ってくれる人もいない家に降り積もった白雪は、解けて消える春を人知れず待っていると詠む歌である。雪に心を持たせ、訪れる人のない家の寂しさと、春を待つ心とを重ねている。詞書によれば、冷泉院の屏風に添えた歌である。
作者の「かねもり」は平兼盛である。光孝天皇の流れをくむ平氏の出で、平安時代中期の歌人である。天徳四年の内裏歌合での活躍で知られ、三十六歌仙に数えられる。
初句「人知れず」は、人に知られずに、の意である。
二句「春をこそ待て」は、春をこそ待っている、の意で、係助詞「こそ」を受けて已然形「待て」で結ぶ。ここで句切れとなる。
三句「払ふべき」は、払いのけるはずの、の意である。
四句「人なき宿に」は、人のいない家に、の意である。
結句「降れる白雪」は、降り積もった白雪をいい、体言止めで倒置的に主語を示す。本巻の第二百四十六首と同じ結句であるが、あちらが月と見まがう明るい雪であったのに対し、こちらは払う人もない寂しい宿の雪である。
やど:家。住まい
- 作者
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平兼盛
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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白雪の降りしく時はみ吉野の 山下風に花ぞ散りける
- 次の歌
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新しき春さへ近くなりゆけば ふりのみまさる年の雪かな