新しき春さへ近くなりゆけば
ふりのみまさる年の雪かな
- 歌の意味
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新しい春までも近づいてゆくので、降る雪ばかりがいよいよ増し、年もいよいよ古びてゆく、年の暮れの雪であることよ。
- 鑑賞
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巻第四 冬歌 255
詞書「屏風に」
新しい春が近づくにつれて、雪はますます降り増さり、年もいよいよ古びていくと詠む歌である。降る雪と古びる年とを一つの言葉に重ね、年の瀬の雪に歳月の移りを感じ取っている。詞書によれば、屏風に添えた歌である。
作者の「よしのふ」は大中臣能宣である。伊勢神宮の祭主を務めた大中臣氏の出で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進と万葉集の訓読に携わった。三十六歌仙に数えられる。
初句「新しき」は、新しい、の意である。
二句「春さへ近く」は、春までも近く、の意で、「さへ」は添加を表す。
三句「なりゆけば」は、なってゆくので、の意である。
四句「ふりのみまさる」は、雪が降る意と、年が古びる意の「古る」とを掛け、降ることも古びることもいよいよ増さる、の意となる。
結句「年の雪かな」は、年の暮れの雪であることよ、の意で、「かな」は詠嘆である。年の終わりを告げる雪として、次からの年の暮れの歌へとつないでいる。
ふる:雪が降る意と、年が古びる意とを掛ける
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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人知れず春をこそ待て払ふべき 人なき宿に降れる白雪
- 次の歌
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梅が枝に降り積む雪は一年に 二度咲ける花かとぞ見る