おぼつかな変はりやしにし天の川
年にひとたび渡る瀬なれば
- 歌の意味
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気がかりなことだ。天の川の瀬は変わってしまったのではないか。一年に一度しか渡らない瀬なのだから。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 89
詞書「寛和二年内裏の歌合によめる」
寛和二年(986)の内裏歌合で詠まれた大中臣能宣の歌である。
川の瀬は時とともに移り変わるものであり、一年に一度しか渡らない織女や彦星には、去年の瀬がまだあるかどうか心もとないだろうと思いやっている。逢瀬の間遠さを、瀬の変化という具体的な不安で表した点に工夫がある。
初句「おぼつかな」は、気がかりだという形容詞の語幹による詠嘆で、ここで初句切れとなる。
二句「変はりやしにし」は、変わってしまったのだろうかという疑問で、「や」は疑問、「し」は強め、「にし」は完了と過去を表す。
三句「天の川」は、前歌の第八十八首に続いて天の川を詠み、七夕の歌群を続ける。
四句「年にひとたび」は、一年に一度だけという意で、逢瀬の少なさを示す。
結句「渡る瀬なれば」は、渡る瀬であるからという理由を示し、三句切れの後に倒置で理由を添えている。
せ:川の浅瀬、歩いて渡れる所
- 作者
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大中臣能宣
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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天の川横切る雲やたなばたの 空薫物の煙なるらむ
- 次の歌
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天の川玉橋急ぎ渡さなむ 浅瀬たどるも夜の更けゆくに