天の川玉橋急ぎ渡さなむ
浅瀬たどるも夜の更けゆくに
- 歌の意味
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天の川に美しい橋を急いで渡してほしい。浅瀬を探りながら渡るうちにも、夜は更けてゆくのだから。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 90
詞書「七夕をよめる」
修理大夫藤原顕季が七夕を詠んだ歌である。
年に一度の逢瀬の夜に、浅瀬を探って渡っていては時間が惜しいので、早く橋を架けてほしいと願う。前歌が瀬の変化を案じたのを受け、浅瀬をたどる焦りを詠んで、二星の気持ちに寄り添っている。
初句「天の川」は前歌の第八十九首を受け、続けて天の川を詠む。
二句「玉橋急ぎ」は、美しい橋を急いでという意で、「玉」は美称である。
三句「渡さなむ」は、渡してほしいという願望の終助詞「なむ」で、ここで三句切れとなる。
四句「浅瀬たどるも」は、浅瀬を探りながら渡るにつけてもという意で、前歌の瀬の主題を受ける。
結句「夜の更けゆくに」は、夜が更けてゆくのにという理由を示し、倒置によって願いの切実さを強める。
たまはし:美しい橋、橋の美称
たどる:道や瀬を探りながら進む
- 作者
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藤原顕季
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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おぼつかな変はりやしにし天の川 年にひとたび渡る瀬なれば
- 次の歌
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逢ふ夜とは誰かは知らぬたなばたの 明くる空をも包まざらなむ