- 歌の意味
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天の川を横切る雲は、織女がたく空薫物の煙なのだろうか。
- 鑑賞
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巻第三 秋歌 88
詞書「新院の仰せごとにて百首の歌奉りけるによめる」
『詞花和歌集』の撰者藤原顕輔が、新院すなわち崇徳院の命で詠進した百首歌の一首である。この百首は久安百首と呼ばれる。
天の川を横切って流れる雲を、逢瀬を待つ織女が部屋にたきしめる香の煙に見立てた、優美な趣向の歌である。天上の景を宮廷の女性の暮らしに引き寄せている。
初句「天の川」は七夕の夜空の天の川で、次歌以降の七夕の歌でも繰り返し詠まれる。
二句「横切る雲や」は、天の川を横切って流れる雲で、「や」は疑問を表し結句の「らむ」と呼応する。
三句「たなばたの」は織女のことで、四句の空薫物の主を示す。
四句「空薫物の」は、どこからともなく香るようにたく香のことで、逢瀬を待つ織女の身だしなみを想像させる。
結句「煙なるらむ」は、煙なのだろうかという推量で、雲を香の煙に見立てる見立ての技法で結ぶ。
そらだきもの:来客を迎える前などに、どこからともなく香るようにたく香
- 作者
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藤原顕輔
- 出典
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詞花和歌集
- 前の歌
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いかなれば途絶えそめけむ天の川 逢ふ瀬に渡すかささぎの橋
- 次の歌
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おぼつかな変はりやしにし天の川 年にひとたび渡る瀬なれば