なにとかやくきの姿はおもほえて
あやしく花の名こそ忘るれ
- 歌の意味
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何といったか、茎の姿は思い出されるのに、不思議と花の名は忘れてしまうことだ。
- 鑑賞
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巻第七 物名 403
詞書「かやくき」
茎の姿は思い出されるのに、不思議と花の名は忘れてしまい、何といったかと思いめぐらす歌である。物の名を隠す巻の中で、名を忘れることを詠んだ機知の歌で、初句から二句にかけての「かやくき」の音の続きに、詞書の「かやくき」の名を隠している。詞書の「かやくき」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「すけみ」は藤原輔相である。藤原弘経の子で、藤六と呼ばれた平安時代中期の歌人である。物名の歌を得意とし、家集に藤六集がある。
初句「なにとかや」は、何といったか、の意で、「かや」は疑問を表す。二句の頭の「くき」と続けて「かやくき」の名を隠している。
二句「くきの姿は」は、茎の姿は、の意である。前歌に続き、鳥の名が詠まれる。
三句「おもほえて」は、思い出されて、の意である。
四句「あやしく花の」は、不思議と花の、の意である。本巻の第三百六十一首は花の名を付けると詠み、ここでは花の名を忘れると詠んで、花の名をめぐって対をなしている。
結句「名こそ忘るれ」は、名は忘れてしまう、の意で、係助詞「こそ」を受けて已然形「忘るれ」で結ぶ。
かやくき:小鳥の名とされる。「なにとかや茎」の音の続きに隠して詠み込む
おもほゆ:自然に思われる
- 作者
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藤原輔相
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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紅葉葉に衣の色はしみにけり 秋の山からめぐりこしまに
- 次の歌
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我が心あやしくあだに春来れば 花につくみとなどてなりけん