我が心あやしくあだに春来れば
花につくみとなどてなりけん
- 歌の意味
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私の心は不思議と浮ついて、春が来ると、花に心を寄せる身に、どうしてなってしまったのだろう。
- 鑑賞
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巻第七 物名 404
詞書「つくみ」
春が来ると、自分の心は不思議と浮ついて、花に心を寄せる身になってしまうのはどうしてだろうかと詠む歌である。花に心を奪われる自分を怪しむ趣の中に、四句の「花につくみ」の音の続きに、詞書の「鶫」の名を隠している。詞書の「つくみ」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「大伴黒主」は、近江国滋賀郡の豪族の出とされる平安時代前期の歌人で、六歌仙の一人に数えられる。
初句「我が心」は、私の心は、の意である。
二句「あやしくあだに」は、不思議と浮ついて、の意である。前歌の第四百三首の「あやしく」と同じ語を共有している。
三句「春来れば」は、春が来ると、の意で、已然形に「ば」がついている。
四句「花につくみと」は、花に心を寄せる身と、の意で、「つくみ」に「つぐみ」の名を隠している。次歌の第四百五首も同じ題で、鶫の歌が二首並ぶ。
結句「などてなりけん」は、どうしてなってしまったのだろう、の意で、「けん」は過去推量の助動詞である。
つぐみ:鶫。冬に渡ってくる小鳥。「花に付く身」の音の続きに隠して詠み込む
- 作者
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大伴黒主
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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なにとかやくきの姿はおもほえて あやしく花の名こそ忘るれ
- 次の歌
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咲く花に思ひつくみのあぢきなさ 身にいたつきの入るも知らずて