咲く花に思ひつくみのあぢきなさ
身にいたつきの入るも知らずて
- 歌の意味
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咲く花に心を寄せてしまうわが身のつまらなさよ。身に病が入りこむのも知らないで。
- 鑑賞
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巻第七 物名 405
詞書「つくみ」
咲く花に心を寄せてしまう我が身のつまらなさよ、身に病が入りこむのも知らないでと詠む歌である。花への執着を自ら戒める趣の中に、二句の「思ひつくみ」の音の続きに、詞書の「鶫」の名を隠している。詞書の「つくみ」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「大伴黒主」は、近江国滋賀郡の豪族の出とされる平安時代前期の歌人で、六歌仙の一人に数えられる。
初句「咲く花に」は、咲いている花に、の意である。
二句「思ひつくみの」は、心を寄せる身の、の意で、前歌と同じく「つくみ」に「つぐみ」の名を隠している。前歌の「花に付く身」を受け、ここでは「思ひ付く身」と詠んでいる。
三句「あぢきなさ」は、つまらなさ、どうにもならなさ、の意で、体言で止めて句切れとなる。
四句「身にいたつきの」は、身に病が、の意である。二句の「身」と四句の「身」とを重ねている。
結句「入るも知らずて」は、入りこむのも知らないで、の意で、倒置によって三句の嘆きの理由を後に示している。
つぐみ:鶫。「思ひ付く身」の音の続きに隠して詠み込む
いたつき:病気。わずらい
- 作者
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大伴黒主
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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我が心あやしくあだに春来れば 花につくみとなどてなりけん
- 次の歌
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難波つはくらめにのみぞ舟は着く 朝の風の定めなければ