難波つはくらめにのみぞ舟は着く
朝の風の定めなければ
- 歌の意味
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難波の港には、暗くなってからばかり舟が着く。朝の風が定まらないので。
- 鑑賞
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巻第七 物名 406
詞書「つはくらめ」
朝の風が定まらないので、難波の港には暗くなってからばかり舟が着くと詠む歌と解される。風を待って遅れる舟の様子を詠み、初句から二句にかけての「つはくらめ」の音の続きに、詞書の「燕」の名を隠している。詞書の「つはくらめ」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「すけみ」は藤原輔相である。藤原弘経の子で、藤六と呼ばれた平安時代中期の歌人である。物名の歌を得意とし、家集に藤六集がある。
初句「難波つは」は、難波の港は、の意である。末の「つは」と二句の「くらめ」とを続けて「つばくらめ」の名を隠している。
二句「くらめにのみぞ」は、暗くなってからばかり、の意と解される。前歌に続き、鳥の名が詠まれる。
三句「舟は着く」は、舟が着く、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「着く」で結ぶ。ここで句切れとなる。
四句「朝の風の」は、朝の風が、の意で、二句の「くらめ」と「朝」とが対をなしている。
結句「定めなければ」は、定まらないので、の意で、倒置によって三句の理由を後に示している。
つばくらめ:燕。「難波津は暗め」の音の続きに隠して詠み込む
なにはづ:摂津国の難波の港。難波津
- 作者
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藤原輔相
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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咲く花に思ひつくみのあぢきなさ 身にいたつきの入るも知らずて
- 次の歌
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み吉野も若菜摘むらん我妹子が ひはらかすみて日数経ぬれば