はし鷹のをき餌にせんと構へたる
おしあゆかすな鼠取るべく
- 歌の意味
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はし鷹を招き寄せる餌にしようと仕掛けておいたものを、押して動かすな。鼠が捕れるように。
- 鑑賞
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巻第七 物名 410
詞書「おしあゆ」
はし鷹を招き寄せる餌にしようと仕掛けておいたものを、鼠が捕れるように押して動かすなと戒める歌である。鷹を飼う者の用心を詠み、四句の「おしあゆかすな」の音の続きに、詞書の「押鮎」の名を隠している。詞書の「おしあゆ」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「すけみ」は藤原輔相である。藤原弘経の子で、藤六と呼ばれた平安時代中期の歌人である。物名の歌を得意とし、家集に藤六集がある。
初句「はし鷹の」は、小形の鷹のはし鷹の、の意である。
二句「をき餌にせんと」は、招き寄せる餌にしようと、の意で、「ん」は意志の助動詞である。
三句「構へたる」は、仕掛けておいた、の意である。
四句「おしあゆかすな」は、押して揺り動かすな、の意で、「な」は禁止の終助詞である。「おしあゆ」の名を隠しており、ここで句切れとなる。前歌の火干しの鮎に続き、鮎の名が詠まれる。
結句「鼠取るべく」は、鼠を捕らえられるように、の意で、倒置によって四句の理由を後に示している。
おしあゆ:押鮎。塩漬けにして重しで押した鮎。「押し揺かすな」の音の続きに隠して詠み込む
はしたか:小形の鷹。鷂
をきゑ:鷹などを招き寄せる餌。招き餌
あゆかす:揺り動かす
- 作者
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藤原輔相
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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雲まよひほしのあゆくと見えつるは 蛍の空に飛ぶにぞありける
- 次の歌
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我妹子が身を捨てしより猿沢の 池のつつみやきみは恋しき