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津の国の難波わたりに作る田は
あしかなへかとえこそ見分かね

歌の意味
摂津の国の難波あたりに作る田は、葦なのか苗なのか、見分けることができない。
鑑賞
巻第七 物名 418

詞書「あしかなへ」
 摂津の国の難波あたりに作る田は、葦なのか苗なのか見分けることができないと詠む歌である。葦の名所である難波の田の景を戯れて詠み、四句の「あしかなへか」の音の続きに、詞書の「足鼎」の名を隠している。詞書の「あしかなへ」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
 作者の「すけみ」は藤原輔相である。藤原弘経の子で、藤六と呼ばれた平安時代中期の歌人である。物名の歌を得意とし、家集に藤六集がある。

 初句「津の国の」は、摂津の国の、の意である。
 二句「難波わたりに」は、難波のあたりに、の意である。本巻の第四百六首の難波津に続き、難波が詠まれる。
 三句「作る田は」は、作る田は、の意である。
 四句「あしかなへかと」は、葦なのか苗なのかと、の意で、「あしかなへ」の名を隠している。
 結句「えこそ見分かね」は、見分けることができない、の意で、「え」は打消と呼応して不可能を表し、係助詞「こそ」を受けて已然形「ね」で結ぶ。

あしがなへ:足鼎。脚のついた鼎。「葦か苗か」の音の続きに隠して詠み込む
わたり:あたり。付近
作者
藤原輔相
出典
拾遺和歌集
前の歌
あしひきの山の木の葉の落ちくちば いろのをしきぞあはれなりける
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鷹飼ひのまだも来なくにつなぎ犬の 離れていかむなくるまつほど