あしひきの山の木の葉の落ちくちば
いろのをしきぞあはれなりける
- 歌の意味
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山の木の葉が落ちて朽ちた朽葉の、色が惜しまれるのが、しみじみと心にしみることだ。
- 鑑賞
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巻第七 物名 417
詞書「くちばいろのをしき」
山の木の葉が散って朽ちてゆく朽葉の、その色が惜しまれるのがしみじみと心にしみると詠む歌である。散り朽ちる葉の色を惜しむ晩秋の哀れを詠み、三句から四句にかけての「くちばいろのをしき」の音の続きに、詞書の「朽葉色の折敷」の名を隠している。詞書の「くちばいろのをしき」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「すけみ」は藤原輔相である。藤原弘経の子で、藤六と呼ばれた平安時代中期の歌人である。物名の歌を得意とし、家集に藤六集がある。
初句「あしひきの」は、山にかかる枕詞である。
二句「山の木の葉の」は、山の木の葉が、の意である。
三句「落ちくちば」は、落ちて朽ちた葉、の意である。末の「くちば」から上の句と下の句をまたいで名を隠している。
四句「いろのをしきぞ」は、色が惜しまれるのが、の意で、三句の「くちば」と続けて「くちばいろのをしき」の名を隠している。係助詞「ぞ」による強調である。
結句「あはれなりける」は、しみじみと心にしみることだ、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「ける」で結ぶ。
くちばいろのをしき:朽葉色の折敷。赤みがかった黄色に塗った、食器を載せる盆。「落ち朽葉色の惜しき」の音の続きに隠して詠み込む
くちば:落ちて朽ちた葉
をしき:檜の薄板で作った、食器を載せる盆。折敷
- 作者
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藤原輔相
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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思ふどちところもかへず住みへなん たちはなれなば恋しかるべし
- 次の歌
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津の国の難波わたりに作る田は あしかなへかとえこそ見分かね