秋風の四方の山よりおのがしし
ふくにちりぬる紅葉悲しな
- 歌の意味
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秋風が四方の山から思い思いに吹くので、散ってしまう紅葉が悲しいことだ。
- 鑑賞
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巻第七 物名 431
詞書「四十九日」
秋風が四方の山から思い思いに吹きつけるので、散ってしまう紅葉が悲しいと詠む歌である。散る紅葉を惜しむ晩秋の哀れの中に、三句から四句にかけての「しし ふくにち」の音の続きに、詞書の「四十九日」の名を隠している。題の四十九日は人の死後四十九日目に営む法要をいい、散る紅葉を悲しむ歌の趣とも通い合っている。巻末のこの歌は、巻頭の第三百五十四首の春の鶯と紅梅に対して秋風に散る紅葉を詠み、巻頭と巻末が春と秋とで呼応している。詞書の「四十九日」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「すけみ」は藤原輔相である。藤原弘経の子で、藤六と呼ばれた平安時代中期の歌人である。物名の歌を得意とし、家集に藤六集がある。
初句「秋風の」は、秋風が、の意である。
二句「四方の山より」は、四方の山から、の意である。
三句「おのがしし」は、それぞれ思い思いに、の意である。末の「しし」は、上の句と下の句をまたいで「しじふくにち」の名の頭になっている。
四句「ふくにちりぬる」は、吹くので散ってしまう、の意で、三句の「しし」と続けて「しじふくにち」の名を隠している。本巻の第四百十七首の落ちて朽ちる木の葉と、散る葉の哀れで響き合っている。
結句「紅葉悲しな」は、紅葉が悲しいことだ、の意で、「な」は詠嘆の終助詞である。
しじふくにち:四十九日。人の死後四十九日目に営む法要。「おのがしし吹くに散り」の音の続きに隠して詠み込む
よも:四方。あちこち
- 作者
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藤原輔相
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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むまれよりひつしつくれば山にさる ひとりいぬるにひとゐていませ
- 次の歌
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世に経るに物思ふとしもなけれども 月に幾度眺めしつらん