むまれよりひつしつくれば山にさる
ひとりいぬるにひとゐていませ
- 歌の意味
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生まれてこのかた、櫃を作ってきたので、山へと去る。ひとりで行くのだから、誰か人を連れて行ってください。
- 鑑賞
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巻第七 物名 430
詞書「午、未、申、酉、戌、亥」
生まれてこのかた櫃を作ってきたので山へ去る、ひとりで行くのだから誰か人を連れて行ってほしいと詠む歌と解される。前歌に続く六つの十二支、午、未、申、酉、戌、亥を順に隠すことを主眼とした歌で、歌意には明らかでない点も残る。詞書の六つの名は、この歌に詠み込まれた物の名である。
初句「むまれより」は、生まれてこのかた、の意で、「むま」に十二支の「午」を隠している。前歌の子から巳に続き、二首で十二支がそろう。
二句「ひつしつくれば」は、櫃を作るので、の意と解され、「ひつし」に「未」を隠している。
三句「山にさる」は、山へ去る、の意で、「さる」に「申」を隠している。ここで句切れとなる。
四句「ひとりいぬるに」は、ひとりで行くので、の意で、「とり」に「酉」、「いぬ」に「戌」を隠している。
結句「ひとゐていませ」は、人を連れて行ってください、の意で、「ゐ」に「亥」を隠している。「いませ」は尊敬の命令形である。
むま:十二支の午。「生まれ」に隠して詠み込む
ひつじ:十二支の未。「櫃し」の音の続きに隠して詠み込む
さる:十二支の申。「去る」に隠して詠み込む
とり:十二支の酉。「ひとり」に隠して詠み込む
いぬ:十二支の戌。「去ぬる」に隠して詠み込む
ゐ:十二支の亥。「率て」に隠して詠み込む
ひつ:蓋のついた大きな箱。櫃
ゐる:連れて行く。率る
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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一夜ねてうしとらこそは思ひけめ うき名たつみぞわびしかりける
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秋風の四方の山よりおのがしし ふくにちりぬる紅葉悲しな