雲まよひほしのあゆくと見えつるは
蛍の空に飛ぶにぞありける
- 歌の意味
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雲の間に迷って、星が動いていくと見えたのは、蛍が空を飛んでいたのであった。
- 鑑賞
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巻第七 物名 409
詞書「火干しの鮎」
雲の間を迷うように星が動いていくと見えたのは、蛍が空を飛んでいたのであったと詠む歌である。夏の夜の蛍の光を星に見立て、初句から二句にかけての「ひほしのあゆ」の音の続きに、詞書の「火干しの鮎」の名を隠している。詞書の「火干しの鮎」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「すけみ」は藤原輔相である。藤原弘経の子で、藤六と呼ばれた平安時代中期の歌人である。物名の歌を得意とし、家集に藤六集がある。
初句「雲まよひ」は、雲の間に迷って、の意である。末の「ひ」と二句の「ほしのあゆ」とを続けて「ひぼしのあゆ」の名を隠している。
二句「ほしのあゆくと」は、星が動いていくと、の意である。前歌までの食べ物の名に続き、鮎の名が詠まれる。次歌の第四百十首も鮎を隠している。
三句「見えつるは」は、見えたのは、の意である。
四句「蛍の空に」は、蛍が空に、の意で、蛍の光を星に見立てている。
結句「飛ぶにぞありける」は、飛んでいたのであった、の意で、係助詞「ぞ」を受けて連体形「ける」で結ぶ。
ひぼしのあゆ:火干しの鮎。火であぶって干した鮎。「雲まよひ星の歩く」の音の続きに隠して詠み込む
あゆく:揺れ動く。動く
まよふ:入り乱れる。迷う
- 作者
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藤原輔相
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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絁はさけからみてぞ人は着る ひろや足らぬと思ふなるべし
- 次の歌
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はし鷹のをき餌にせんと構へたる おしあゆかすな鼠取るべく