野を見れば春めきにけり青つづら
こにやくままし若菜摘むべく
- 歌の意味
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野を見ると、春らしくなったことだ。青つづらで籠を編もうか、若菜を摘むために。
- 鑑賞
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巻第七 物名 399
詞書「こにやく」
野を見ると春らしくなったので、若菜を摘むために青つづらで籠を編もうかと詠む歌である。若菜摘みを思い立つ春の心弾みを詠み、四句の「こにやくままし」の音の続きに、詞書の「蒟蒻」の名を隠している。詞書の「こにやく」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「すけみ」は藤原輔相である。藤原弘経の子で、藤六と呼ばれた平安時代中期の歌人である。物名の歌を得意とし、家集に藤六集がある。
初句「野を見れば」は、野を見ると、の意で、已然形に「ば」がついている。
二句「春めきにけり」は、春らしくなったことだ、の意で、ここで句切れとなる。前歌の春霞に続き、春の野が詠まれる。
三句「青つづら」は、籠を編むのに用いるつる草をいう。
四句「こにやくままし」は、籠に編もうか、の意で、「や」は疑問、「まし」はためらいを含んだ意志を表す。「こにやく」の名を隠している。
結句「若菜摘むべく」は、若菜を摘むために、の意である。
こにやく:蒟蒻。「籠にや組ままし」の音の続きに隠して詠み込む
あをつづら:つる性の草。籠などを編むのに用いた
こ:竹などを編んで作った入れ物。籠
くむ:編んで作る。組む
- 作者
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藤原輔相
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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山高み花の色をも見るべきに にくくたちぬる春霞かな
- 次の歌
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いさりせし海人の教へしいづくぞや しまめぐるとてありと言ひしは