住吉の岡の松かささしつれば
雨は降るともいなみのは着じ
- 歌の意味
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住吉の岡の松笠を傘としてさしたので、雨は降っても、いや、蓑は着るまい。
- 鑑賞
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巻第七 物名 376
詞書「いなみの」
住吉の岡の松笠を傘としてさしたので、雨が降っても蓑は着るまいと戯れる歌である。松笠と傘とを掛けた機知の中に、結句の「いなみのは」の音の続きに、詞書の「印南野」の名を隠している。詞書の「いなみの」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「すけみ」は藤原輔相である。藤原弘経の子で、藤六と呼ばれた平安時代中期の歌人である。物名の歌を得意とし、家集に藤六集がある。
初句「住吉の」は、摂津国の歌枕の住吉の、の意である。
二句「岡の松かさ」は、松の実の「松笠」と、雨をよける「傘」とを掛けている。
三句「さしつれば」は、傘としてさしたので、の意で、「つれ」は完了の助動詞「つ」の已然形である。
四句「雨は降るとも」は、雨は降っても、の意で、「とも」は逆接の仮定を表す。
結句「いなみのは着じ」は、いや、蓑は着るまい、の意で、「じ」は打消の意志を表す。「否、蓑」に「いなみの」の名を隠している。前歌の大和に続き、地名を隠す歌である。
いなみの:印南野。播磨国の歌枕。「否、蓑は」の音の続きに隠して詠み込む
まつかさ:松の実の松笠と、雨をよける傘とを掛ける
みの:茅や菅で編んだ雨具。蓑
- 作者
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藤原輔相
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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古道に我やまどはむいにしへの 野中の草は茂りあひにけり
- 次の歌
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白浪のうちかくるすの乾かぬに 我が袂こそ劣らざりけれ