み吉野も若菜摘むらん我妹子が
ひはらかすみて日数経ぬれば
- 歌の意味
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吉野でも若菜を摘んでいることだろう。いとしい人のいるあたりの檜原が霞んで、日数もたったので。
- 鑑賞
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巻第七 物名 407
詞書「はらか」
いとしい人のいるあたりの檜原が霞んで日数もたったので、吉野でも若菜を摘んでいることだろうと思いやる歌である。春の深まりとともに遠い人を思う心を詠み、四句の「ひはらかすみて」の音の続きに、詞書の「はらか」の名を隠している。詞書の「はらか」は、この歌に詠み込まれた物の名である。
作者の「もとすけ」は清原元輔である。清原深養父の孫で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進と万葉集の訓読に携わった。清少納言の父で、三十六歌仙に数えられる。
初句「み吉野も」は、吉野でも、の意で、「み」は美称の接頭語である。
二句「若菜摘むらん」は、若菜を摘んでいるだろう、の意で、「らん」は現在推量の助動詞である。ここで句切れとなる。本巻の第三百九十九首の若菜摘みと響き合っている。
三句「我妹子が」は、いとしい人の、の意である。
四句「ひはらかすみて」は、檜原が霞んで、の意で、「はらか」の名を隠している。前歌までの鳥の名に続き、魚の名が詠まれる。
結句「日数経ぬれば」は、日数がたったので、の意で、倒置によって二句の推量の根拠を後に示している。
はらか:魚の名。鰚。「檜原霞みて」の音の続きに隠して詠み込む
ひはら:檜の生い茂る原。檜原
わぎもこ:いとしい女性
- 作者
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清原元輔
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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難波つはくらめにのみぞ舟は着く 朝の風の定めなければ
- 次の歌
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絁はさけからみてぞ人は着る ひろや足らぬと思ふなるべし