- 歌の意味
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生い茂れ、平野の原の綾杉よ。濃い紫の衣を裁ち重ねるほどに、高い位にのぼり重ねていくように。
- 鑑賞
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巻第十 神楽歌 592
詞書「源遠古朝臣子生ませて侍りけるに」
平野の原の綾杉よ、濃い紫の衣を裁ち重ねるほどに生い茂れと、生まれた子の行く末を祝う歌である。詞書から、源遠古に子が生まれたときに贈った歌とわかる。平野の社の杉が茂ることに子の成長を重ね、高位の色である濃い紫の衣を重ねるほどに出世するようにと願っている。前の第五百九十一首まで松を詠んだのに続き、神の社の木として杉を詠んでいる。
作者の「もとすけ」は清原元輔である。清少納言の父で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進にあたった。三十六歌仙に数えられる。
平野は山城国の平野社のある地で、平野社は源氏の氏神の一つともされる。
初句「生ひ茂れ」は、生い茂れ、の意で、命令形で言い切る初句切れの歌である。
二句「平野の原の」は、平野の原の、の意で、平野社のある地をいう。
三句「あや杉よ」は、葉が綾のように交差する杉よ、の意で、呼びかけである。ここで句切れとなる。
四句「濃き紫に」は、濃い紫に、の意で、高い位の人が着る衣の色をいう。
結句「たち重ぬべく」は、「たち」が杉が「立ち」並ぶ意と、衣を「裁ち」重ねる意を掛ける掛詞である。「べく」は当然や推量を表す助動詞「べし」の連用形で、言いさしている。
あやすぎ:綾杉。葉が綾のように交差する杉
たつ:杉が「立つ」意と、衣を「裁つ」意を掛ける
こきむらさき:濃き紫。高い位の人の衣の色
- 作者
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清原元輔
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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幾世にか語り伝へむ筥崎の 松の千歳のひとつならねば
- 次の歌
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祈ぎかくる日吉の社の木綿襷 草のかき葉も言止めて聞け