忍ぶれどなほしひてこそおもほゆれ
恋といふものの身をし去らねば
- 歌の意味
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こらえて忍ぼうとしても、なおいっそう強く思われることだ。恋というものが、この身から離れないので。
- 鑑賞
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巻第十一 恋歌一 652
詞書は前の歌に続き「題しらず」
こらえて忍ぼうとしても、恋というものがこの身から離れないので、なお強く思われてしまうと詠む歌である。抑えようとしても恋が身にまとわりついて離れないという感覚を、恋を身に取りつくもののように表している。初句は第六百二十二首と同じ「忍ぶれど」で、忍ぶ恋を詠む歌がここでもくり返されている。
初句「忍ぶれど」は、こらえて忍んでいるけれど、の意で、第六百二十二首の初句と同じ句である。
二句「なほしひてこそ」は、それでもなお無理にも、の意で、係助詞「こそ」は三句の已然形「おもほゆれ」で結ぶ係り結びである。
三句「おもほゆれ」は、思われる、の意で、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「恋といふものの」は、恋というものが、の意で、八音の字余りの句である。
結句「身をし去らねば」は、身から離れないので、の意で、「し」は強めの副助詞である。倒置して三句の理由を示している。
おもほゆ:思ほゆ。自然と思われる
さる:去る。離れる
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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大空は曇らざりけり神無月 時雨心地は我のみぞする
- 次の歌
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あはれとも思はじものを白雪の 下に消えつつなほもふるかな