独り寝し時は待たれし鳥の音も
まれに逢ふ夜はわびしかりけり
- 歌の意味
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独りで寝ていた時には待ち遠しかった鶏の声も、まれに逢う夜には、つらく聞こえることだ。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 718
独り寝の夜には早く夜が明けよと待たれた鶏の声も、まれに逢えた夜には、別れを告げるものとしてつらく聞こえると詠む歌である。同じ鶏の声が、独り寝の夜と逢う夜とで正反対に聞こえる心の移ろいを、対比によって鮮やかに表している。前歌の第七百十七首の、夜が明けないでほしいと願う心に続く歌である。
初句「独り寝し」は、独りで寝ていた、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
二句「時は待たれし」は、時には待ち遠しく思われた、の意で、「れ」は自発の助動詞である。四句の「逢ふ夜」と対をなしている。
三句「鳥の音も」は、夜明けを告げる鶏の声も、の意である。
四句「まれに逢ふ夜は」は、まれに逢える夜には、の意で、二句の独り寝の時と対比している。
結句「わびしかりけり」は、つらく聞こえることだ、の意で、本巻の第七百九首の結句「わびしかりけり」と同じ句である。
とりのね:鳥の音。夜明けを告げる鶏の鳴き声
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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むばたまの今夜な明けそ明けゆかば 朝行く君を待つ苦しきに
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葛城や我やは久米の橋作り 明けゆくほどはものをこそ思へ