明け暮れの空にぞ我は迷ひぬる
思ふ心のゆかぬまにまに
- 歌の意味
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明けたのか暮れたのかわからない暗い空の下で、私は迷ってしまったことだ。あなたを思う心が満ち足りず、足も進まないままに。
- 鑑賞
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巻第十二 恋歌二 736
詞書「女のもとより、暗きに帰りてつかはしける」
夜明け前の暗い空の下で私は迷ってしまった、あなたを思う心が満ち足りないままにと詠む歌である。詞書から、女のもとからまだ暗いうちに帰って、贈った歌とわかる。「ゆかぬ」に、心が満ち足りない意と、足が進まない意を重ね、名残惜しさに心が晴れず、帰り道にも迷うありさまを表している。
作者の「したがふ」は源順である。嵯峨源氏の出で、梨壺の五人の一人として後撰和歌集の撰進と万葉集の訓読にあたり、辞書の和名類聚抄を編んだ。三十六歌仙に数えられる。
初句「明け暮れの」は、明けるとも暮れるともつかない、の意で、夜明け前の暗い時をいう。
二句「空にぞ我は」は、空の下で私は、の意で、「空」には心が上の空になる意も響いている。係助詞「ぞ」は三句の連体形「ぬる」で結ぶ係り結びである。
三句「迷ひぬる」は、迷ってしまった、の意で、ここで句切れとなる三句切れの歌である。
四句「思ふ心の」は、あなたを思う心が、の意である。
結句「ゆかぬまにまに」は、「ゆか」が心が満ち足りる意の「ゆく」と、道を「行く」を掛ける掛詞で、満ち足りないまま、足も進まないままに、の意である。
ゆく:心が満ち足りる意の「ゆく」と、道を「行く」意を掛ける
- 作者
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源順
- 出典
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恋しきを何につけてか慰めむ 夢だに見えず寝る夜なければ
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