いづ方によるとかは見む青柳の
いと定めなき人の心を
- 歌の意味
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どちらに寄るものと見ればよいのだろうか。青柳の糸がなびくように、まったく定まらない人の心を。
- 鑑賞
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巻第十三 恋歌三 815
詞書は前の歌に続き「題しらず」
青柳の糸が風にあちこちなびくように、まったく定まらない人の心を、どちらに寄るものと見ればよいのかと嘆く歌である。風のままに揺れる柳の枝に、移り気な恋人の心を重ねている。
初句「いづ方に」は、どちらに、の意である。
二句「よるとかは見む」は、「よる」が心が「寄る」と、糸を「縒る」を掛ける掛詞である。「かは」は疑問の係助詞で、推量の助動詞「む」の連体形で結んでいる。ここで句切れとなる。
三句「青柳の」は、青々とした柳の、の意で、「いと」を導いている。前歌の第八百十四首の二句「柳の糸も」と、柳の糸を共有している。
四句「いと定めなき」は、「いと」が柳の「糸」と、まったく、の意の副詞「いと」を掛ける掛詞である。
結句「人の心を」は、人の心を、の意で、倒置して二句に返っている。前歌の結句「我が心かな」が自分の心を詠むのに対し、この歌は恋人の心を詠み、二首が対をなしている。
よる:心が「寄る」意と、糸を「縒る」意を掛ける
いと:柳の「糸」と、まったく、の意の「いと」を掛ける
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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春来れば柳の糸もとけにけり 結ぼほれたる我が心かな
- 次の歌
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巻向の檜原の霞たちかへり かくこそは見め飽かぬ君かな