伊香保のや伊香保の沼のいかにして
恋しき人を今ひと目見む
- 歌の意味
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伊香保の、伊香保の沼の名のように、いかにして、恋しい人をもう一目見ることができるだろうか。
- 鑑賞
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巻第十四 恋歌四 859
詞書は前の歌に続き「題しらず」
伊香保の沼の名を繰り返し、その音から「いかにして」を導いて、どうにかして恋しい人をもう一目見たいと願う歌である。同じ音を三度重ねる素朴な調べに、逢いたいという切実な思いがあふれている。
伊香保は上野国の地名で、万葉集巻十四の東歌にもたびたび詠まれた土地である。地名を繰り返す調子にも、東国の民謡風の味わいがある。
初句「伊香保のや」は、伊香保の、の意で、「や」は調子を整える間投助詞である。
二句「伊香保の沼の」は、伊香保にある沼の、の意で、初句の地名を重ねて調べを高めている。初句と二句が、同音の「いかに」を導く序詞となっている。
三句「いかにして」は、どうにかして、の意である。「いかほ」「いかほ」「いかに」と同じ音を三度重ねている。
四句「恋しき人を」は、恋しい人を、の意である。
結句「今ひと目見む」は、もう一目見たい、の意で、「む」は意志や願望を表す助動詞である。
いかほ:伊香保。上野国の地名
ひとめ:一目。ちらりと一度見ること
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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皆人の笠に縫ふてふ有馬菅 ありて後にも逢はむとぞ思ふ
- 次の歌
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玉川にさらす手作りさらさらに 昔の人の恋しきやなぞ