思はずはつれなきこともつらからじ
頼めば人を怨みつるかな
- 歌の意味
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思っていないのならば、つれない仕打ちもつらくはないだろう。頼みにしているからこそ、あの人を恨んでしまったことだ。
- 鑑賞
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巻第十五 恋歌五 973
詞書「題しらず」
相手を思っていないのならつれなくされてもつらくはないだろう、頼みにしているからこそ恨んでしまった、と詠む歌である。恨みの心は相手を頼みにする思いの裏返しであると見抜き、自分の心を省みている。
本歌から第九百八十七首まで、「恨む」を詠む歌が続き、本歌はその始まりとなっている。
初句「思はずは」は、思っていないならば、の意である。
二句「つれなきことも」は、つれない仕打ちも、の意である。
三句「つらからじ」は、つらくはないだろう、の意で、「じ」は打消の推量を表す。ここで句切れとなる。
四句「頼めば人を」は、頼みにしているので、あの人を、の意である。本巻の第九百八十一首の四句「頼む心の」と、頼む心と恨みとの関わりを詠む点で呼応している。
結句「怨みつるかな」は、恨んでしまったことだ、の意で、「かな」は詠嘆を表す。本巻の第九百五十三首の結句「怨みつるかな」と同じ句である。
たのむ:頼む。頼みにする、あてにする
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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空に満つおもひの煙雲ならば ながむる人の目にぞ見えまし
- 次の歌
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つらけれど恨むる限りありければ 物は言はれで音こそ泣かるれ