刈りて干す山田の稲を干しわびて
守る仮庵に幾夜経ぬらん
- 歌の意味
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刈り取って干す山田の稲が、なかなか干し上がらずに困り果て、番をする仮小屋で、幾夜を過ごしたことだろうか。
- 鑑賞
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巻第十七 雑秋歌 1125
詞書「延喜御時月次御屏風の歌」
刈り取った山田の稲がなかなか干し上がらず、番をする仮小屋でいくつの夜を過ごしたことだろうかと詠む歌である。詞書から、醍醐天皇の延喜の御代に、月ごとの行事や風物を描いた屏風に添えた歌とわかる。稲を干す仮小屋で夜を重ねる農夫の労苦を、絵に寄せて描いている。
作者の「みつね」は凡河内躬恒である。古今和歌集の撰者の一人で、三十六歌仙に数えられる。
初句「刈りて干す」は、刈り取って干す、の意で、前の第千百二十三首、第千百二十四首と、稲刈りを詠む点で並んでいる。
二句「山田の稲を」は、山あいの田の稲を、の意である。
三句「干しわびて」は、干し上がらずに困って、の意で、「わぶ」は思うようにならずに困る意である。
四句「守る仮庵に」は、番をする仮小屋に、の意で、初句の「刈りて」と「仮庵」が音を響かせ合っている。
結句「幾夜経ぬらん」は、幾夜を過ごしたことだろうか、の意で、「ぬ」は完了の助動詞、「らん」は現在推量の助動詞である。
つきなみ:月次。月ごとに行われる行事や、その風物
ほしわぶ:干し侘ぶ。干し上がらずに困る
かりいほ:仮庵。田の番をするための仮小屋
- 作者
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凡河内躬恒
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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秋ごとに刈りつる稲は積みつれど 老いにける身ぞ置き所なき
- 次の歌
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奥山に立てらましかば渚漕ぐ 舟木も今は紅葉しなまし