秋ごとに刈りつる稲は積みつれど
老いにける身ぞ置き所なき
- 歌の意味
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秋ごとに刈り取った稲は積み重ねてきたけれども、年老いてしまったこの身は、置き所がないことだ。
- 鑑賞
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巻第十七 雑秋歌 1124
詞書「屏風に、翁の稲運ばする方描きて侍りける所に」
秋ごとに刈り取った稲は積み上げてきたけれども、年を重ねて老いたこの身には置き所がないと詠む歌である。詞書から、翁が稲を運ばせている絵を描いた屏風に添えた歌とわかる。稲を積む営みと、年を積んで老いた身とを対比し、絵の中の翁の嘆きを詠んでいる。
作者の壬生忠見は、古今和歌集の撰者壬生忠岑の子である。天徳内裏歌合で平兼盛と競ったことで知られ、三十六歌仙に数えられる。
初句「秋ごとに」は、毎年秋になるたびに、の意である。
二句「刈りつる稲は」は、刈り取った稲は、の意で、前歌の第千百二十三首の四句「刈りて収めむ」と稲刈りを詠む点で並んでいる。
三句「積みつれど」は、積み重ねてきたけれども、の意で、「つれ」は完了の助動詞「つ」の已然形、「ど」は逆接の接続助詞である。稲を積むことに、年を積み重ねることを響かせている。
四句「老いにける身ぞ」は、年老いてしまったこの身は、の意で、「ぞ」は強意の係助詞である。
結句「置き所なき」は、置く所がない、の意で、四句の「ぞ」を受けて連体形「なき」で結ぶ係り結びである。三句の「積み」と、置き場所の有無で対をなしている。
おきどころ:置き所。物を置く場所。身の置き所で、身を落ち着ける場所
- 作者
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壬生忠見
- 出典
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拾遺和歌集
- 前の歌
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我妹子が赤裳濡らして植ゑし田を 刈りて収めむ倉無の浜
- 次の歌
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刈りて干す山田の稲を干しわびて 守る仮庵に幾夜経ぬらん