おろかにも思はましかば東路の
伏屋といひし野辺に寝なまし
- 歌の意味
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もしあなたをいいかげんに思っていたならば、東国への道の、伏屋という野辺で寝てしまっていただろう。
- 鑑賞
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巻第十八 雑賀 1198
詞書「東よりある男まかり上りて、先々物言ひ侍りける女のもとにまかりたりけるに、いかで急ぎ上りつるぞなど言ひ侍りければ」
もしあなたをいいかげんに思っていたならば、東国への道の伏屋という野辺で寝ていただろうと詠む歌である。詞書から、東国から上京した男が、以前言い寄っていた女のもとを訪れたところ、どうしてそんなに急いで上ってきたのかと聞かれて答えた歌とわかる。旅の途中の伏屋という地名を持ち出し、粗末な小屋の意も響かせて、あなたを深く思うからこそ道中で休みもせず急いで来たのだと伝えている。
初句「おろかにも」は、いいかげんに、おろそかに、の意である。
二句「思はましかば」は、もし思っていたならば、の意で、「ましか」は反実仮想の助動詞「まし」の未然形であり、結句の「まし」と呼応している。
三句「東路の」は、東国へ通じる道の、の意である。
四句「伏屋といひし」は、伏屋と呼ばれていた、の意で、地名の「伏屋」に、低く粗末な小屋の意を響かせている。
結句「野辺に寝なまし」は、野辺で寝てしまっていただろう、の意で、「な」は完了の助動詞「ぬ」の未然形であり、「ましかば〜まし」の反実仮想の形である。
あづまぢ:東路。都から東国へ通じる道
ふせや:伏屋。低く粗末な小屋。東国への道中の地名でもある
のべ:野辺。野原
- 作者
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よみ人しらず
- 出典
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暮れば疾く行きて語らむ逢ふ時の とをちの里の住み憂かりしも
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